外国人とは

インバウンド対応

日本には、さまざまな国や地域から来た人々が住んでいます。
彼らは、日本語や日本文化に興味があったり、仕事や勉強が目的で来日したり、結婚などをきっかけに日本に定住したりし、日本社会の一員として生活しています。

彼らのことをどう呼ぶのが正しいのでしょうか?

ぼやけた書き方をしてしまいましたが、つまりこういうこと↓です。
具体的に考察してみたいと思います。

実際に使われている呼び方いろいろ

外国人

日本以外の国や地域に国籍を持つ人々を指す中立的な言葉です。
「外国人」は、法律や統計などで使われる公式な言葉です。
日本に一時的に滞在する観光客や留学生から永住権を持つ永住者まで幅広く、「外国人」という表現は、差別的な意図がない限り、普通に使われています。

外人

日本以外の国や地域に出身やルーツを持つ人々を指す俗語です。
「外人」は、外国人と同じ意味で使われることもありますが、短くて簡単な言葉なので、軽い印象があります。
しかし、「外人」は、日本人との区別や排除を感じさせます。さらに外国人の多くは、「外人」は差別表現だと教わっています。実際に差別的な意味で使われることも多く、注意が必要です。
観光産業に携わる人には絶対に避けてほしい表現です。

*外国人が自分たちのことを「ガイジン」と言うことがありますが、これについては別記事で触れます。

外人さん

「外人」という呼び方が失礼だとの認識は一部の人に浸透している一方、何も考えずに「外人」という表現を口にしている人もいます。
排除的な意味を知らないだけなのか、「外人さん」と敬称つきでバランスをとっている印象です。

「外人さん」も日本以外の国や地域に出身やルーツを持つ人々を指す敬称付きの俗語で、「外人」よりも丁寧で親切な印象を与えることができます。
しかし、これも、日本人と区別することや排除することを意味することもあり、差別的な意味で受け取られることもあるので、注意が必要です。

外国の方

「外国の方」という表現も、外国人に対する敬称付きの言い方です。
例えば、相手の名前が分からない場合や、名前が発音しにくい場合など、「外国の方」とすることで、相手に対する敬意や親切さを示したりする人もいます。

しかし、「外国の方」という表現にも注意点があります。
一つは、相手が日本に住んでいる場合や日本に関心がある場合など、自分を「外国の方」と認識していない場合です。そういう場合に「外国の方」という表現を使うと、相手を不快にさせたり、距離を感じさせたりする可能性があります。
もう一つは外国人に対して横柄な態度をとったり、不当な扱いをしたりする場合など、「外国の方」という表現が悪意を込めて使われる場合です。そういう場合は、相手を侮辱したり、軽視したりする印象を与えます。うわべだけ丁寧にしても悪意は伝わります。

どうするのがベストか

このようにそれぞれ異なる意味やニュアンスで使われていますが、そもそも「外国」を意識した総称は、相手の個性や特徴を無視して一括りにしている点で、当事者を不快にさせる性質があります。
敬意を表すなら、相手の名前や肩書きなどを使って呼べばいいのです。
日本に住む多様な人々をどう呼ぶかは、多文化共生に関わる大切な問題です。

だからと言って、総称が必要な状況もあるでしょう。
そのような場合は、背景に応じて使い分けるのが適切です。
学校であれば留学生、観光産業では訪日旅行者、 日本語を母国語としない人など、背景と属性を適切に判断した表現がすでに存在します。

逆に、異文化交流や国際理解、アイデンティティの分野では、その人の属性を明示することで、その人が大切にしていることに寄り添った表現をすることもできます。

まとめ

以上のように、すべてのケースに当てはまる正解はありません。
人によって、その呼び方に対する感覚や感情は異なるでしょう。
また、状況や文脈によっても、その呼び方の適切さは変わるでしょう。

最も大切なことは、個を尊重することです。

相手がどんな呼び方を望んでいるか、どんな呼び方に不快感を持つかを聞いたり、伝えたりすることができれば、より良いコミュニケーションができると思います。

相手の気持ちや意見を尊重して、対話することができれば、多様性を認めて共生することができるはずです。