インバウンド対応におけるWi-Fi環境整備の重要性

インバウンド対応

日本を訪れる外国人観光客は年々増加しており、2020年には約3,200万人に達しました1。彼らは日本の文化や自然、食べ物などに興味を持っていますが、同時に言葉や文字の違いなどにも不安を感じています。そこで、インバウンド環境整備においては、Wi-Fiや音声認識、画像認識、通訳・翻訳アプリなどの情報通信技術(ICT)の活用が重要になってきます。この記事では、それぞれの技術がどのようにインバウンド対策に役立っているか、具体的な事例を紹介します。

Wi-Fi

Wi-Fiとは無線でインターネットに接続できる技術です。Wi-Fiがあれば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスでブラウジングやメールやSNSのやりとりができます。外国人観光客は、旅行中に最も利用した通信手段として「無料Wi-Fi」を53.8%と回答しており2、Wi-Fi環境の整備は彼らの利便性向上に大きく貢献しています。

Wi-Fi環境の整備には以下のようなメリットがあります。

  • 観光情報や交通情報などをリアルタイムで入手できる
  • 通訳・翻訳アプリや音声認識・画像認識アプリなどを利用できる
  • SNSやブログなどで旅行体験を発信できる
  • 電話やメールなどで家族や友人と連絡が取れる
  • データローミング料金やプリペイドSIMカードの購入費用を節約できる

日本では空港や駅、ホテルや飲食店などで無料Wi-Fiスポットが増えていますが、まだまだ不十分な地域も多くあります。特に地方では観光スポット周辺エリアで無料Wi-Fiが使えない場合が多く、外国人観光客から不満の声も聞かれます。インバウンド対策として、無料Wi-Fiスポットの拡大が急務です。

音声認識

音声認識とは人間の話す言葉をコンピューターが理解できる形式に変換する技術です。音声認識を利用すれば、キーボードやマウスなどを使わずにデバイスとコミュニケーションができます。外国人観光客は、音声認識を使って以下のようなことができます。

  • 音声で検索や操作ができる
  • 音声で通訳・翻訳ができる
  • 音声で地図やナビゲーションができる
  • 音声で音楽や動画などのコンテンツが楽しめる

音声認識の活用事例としては、以下のようなものがあります。

  • Googleアシスタント:Googleが提供する音声アシスタントサービスです。スマートフォンやスマートスピーカーなどで利用でき、日本語を含む30以上の言語に対応しています。音声で検索や操作、通訳・翻訳、地図やナビゲーション、音楽や動画などのコンテンツを利用できます。
  • Siri:Appleが提供する音声アシスタントサービスです。iPhoneやiPadなどで利用でき、日本語を含む20以上の言語に対応しています。音声で検索や操作、通訳・翻訳、地図やナビゲーション、音楽や動画などのコンテンツを利用できます。
  • Alexa:Amazonが提供する音声アシスタントサービスです。Echoなどのスマートスピーカーで利用でき、日本語を含む15以上の言語に対応しています。音声で検索や操作、通訳・翻訳、地図やナビゲーション、音楽や動画などのコンテンツを利用できます。

音声認識は手軽に使える反面、以下のようなデメリットもあります。

  • 音声入力に時間がかかる場合がある
  • 音声入力に失敗する場合がある
  • 周囲の騒音や話者の発音に影響される場合がある
  • プライバシーに配慮しなければならない場合がある

画像認識

画像認識とはコンピューターが画像から物体や文字などを識別する技術です。画像認識を利用すれば、カメラや写真からさまざまな情報を得ることができます。外国人観光客は、画像認識を使って以下のようなことができます。

  • 写真から物体や風景の名前を知ることができる
  • 写真から文字を読み取り、翻訳することができる
  • 写真から花や動物などの種類を判別することができる

画像認識の活用事例としては、以下のようなものがあります。

  • Googleレンズ:Googleが提供する画像認識サービスです。スマートフォンのカメラや写真から物体や風景の名前を知ったり、文字を読み取って翻訳したり、花や動物などの種類を判別したりすることができます。
  • Microsoft Translator:Microsoftが提供する翻訳サービスです。スマートフォンやウェブブラウザで利用でき、日本語を含む70以上の言語に対応しています。文章や音声だけでなく、カメラやキーボード入力も翻訳できます。
  • LINEポケット通訳:LINEが提供する通訳サービスです。スマートフォンで利用でき、日本語を含む42の言語に対応しています。音声入力した内容を即時に音声出力することができます。

通訳・翻訳アプリは高度に使える反面、以下のようなデメリットもあります。

    • 翻訳品質が不安定な場合がある
    • 翻訳速度が遅い場合がある
    • 翻訳結果が不適切な場合がある
    • 翻訳にインターネット接続が必要な場合がある

まとめ

インバウンド環境整備においては、Wi-Fiや音声認識、画像認識、通訳・翻訳アプリなどのICTの活用が重要になってきます。これらの技術は外国人観光客の利便性や満足度を高めるだけでなく、日本の魅力や情報を世界に発信する機会にもなります。しかし、これらの技術にはまだまだ改善の余地があります。インバウンド対策として、ICTの普及と品質向上に努めることが必要です。