フォニックスが効果を発揮するタイミング

英語力向上

フォニックスとは(ざっくり)

フォニックスはご存知ですか。
フォニックスとは、英語のスペルと発音の関係を学ぶ方法です。フォニックスに関心があり、そのうえで、メリット/デメリットをふまえて導入を検討している方は、かなり英語教育に詳しい方だと思います!

フォニックスは文字と音のつながりを理解するので、英語の文章を読む力がつき、ルールを身につければ、知らない単語でも読めるようになる点が画期的です。
学校教育ではスペリングに基づく読み書きが主流だったことが、この背景にあります。

*具体的なルールは専門の資料や動画は、ウェブ検索してご覧ください。

日本でも、発音が正しくなる、文字が読めるようになる、聞き取りが上手になるといった理由から、子どもの英語学習に導入する教室もあるかと思います。

フォニックスにはコツがある

まずは、これまで学校で習ったABCをリセットする必要があります(親御さんが)。
Aはエイ、Bはビー、Cはスィーと教わりますが、フォニックスではAはア(つぶれたア、*カタカナの限界あり)の音、Bはバとブの中間の短い音、Cはカとクの中間の短い音で表されます。
CARはカ(ク)+ア+巻き舌のウを組み合わせて以下の音ができあがります。

なんのこっちゃという方は動画検索でもしてみてください。一発でわかります。

そのうえで、フォニックスを子供に教える方法としては、以下のようなコツがあります。

ローマ字の前にフォニックスを学ぶ

子供が学校で初めて英語に触れるときは、ローマ字として教えられます。
しかし、ローマ字は特殊な読み方をするため(エイ、ビー、スィー、ディー…エックス、ワイ、ズィー)ローマ字の後で英語の発音を学ぶと混乱する可能性があります。

そのため、ローマ字を学ぶ前にフォニックスを習得することで、先入観なく子音の発音ができるようになります。

発音している人の口の動きを真似する

正しい発音を習得するためには、聞くことと発音を練習することの反復が大切です。
英語特有の口の動きや発音は、日本人にとって容易ではないため、文字を見て反射的に正しい発音ができるようになるまで練習を繰り返すことで定着し、再現することができます。

そのために、正しく発音する教師の存在は欠かせません。

フォニックスの限界

フォニックスは子供にとって有効な英語学習法ですが、万能ではありません
また、日本人にとってはデメリットもあります。

フォニックスはすべての単語に当てはまるわけではない

英語の単語には、フォニックスのルールやパターンに当てはまらない、例外的な読み方をするものもあります。
フォニックスだけでは英語を完全にマスターすることはできません。

発音しない音や、イレギュラーな音もあり、話すベースがない場合は混乱をきたします。

フォニックスは発音だけではなく意味も重視する必要がある

フォニックスでは単語や文章を正しく読むことができますが、それだけでは意味がわかりません。
そのため、フォニックスだけではなく文脈や単語の意味も学ぶ必要があります。

これは、すでに会話ができる日本人の幼児が、ひらがなを習い(「りんご」など)、その意味をすぐに認識できるのと似ています。

英語を話すベースがない日本人を対象とした場合は、会話ができるようになってからでないと、あまり効果を発揮しないため、上記をふまえて、教える順序をよく考えることが大切になります。

フォニックスは発達段階に合わせて

フォニックスは ある程度英語に触れていること、話せることが前提の学習法です。

また、子ども対象であるがゆえ、母国語の読み書きもままならない年齢で英語の読みを学ぶことは、多少の無理を伴います。

英語圏の子供が最初に話すことを覚え、その後書くことを覚える発達段階を踏まえたうえでのアプローチですから、非英語圏で英語を第二言語として学ぶ場合は、あくまでも英語の音と読みのルールに慣れ親しむことに重きを置きましょう。

フォニックスは、英語教育のメインとして教えるよりも、毎日のウォーミングアップとして教え、英語学習の他の側面とともに徐々に発展させる方が効果的です。英語を構成する一要素として、楽しく教えることがポイントです。

以上、日本でフォニックスを教える上での注意点を中心にまとめてみました。私自身も子供にフォニックスを学ばせた経験があるので、また別の記事で紹介したいと思います。